An Unfinished Archive

2025.11.22
04-solitude

孤独は、常に個人的なものとして扱われる。 内面の問題、感情の欠落、あるいは適応の失敗として説明されることが多い。しかし、その多くは環境の副産物として発生している。 人が減ったわけではない。 接触が減ったわけでもない。 それでも、共有されない時間と、言語化されない感覚は増え続けている。 ここにある孤独は、強い感情を伴わない。 悲しみや怒りとして現れる前の状態。まだ名前を与えられていない感覚として、日常の中に溶け込んでいる。 記録されるのは、出来事ではなく、出来事の欠落である。 何も起きなかった時間、誰にも参照されなかった瞬間。そうした空白が、後になって「孤独」として回収される。 この状態は、必ずしも異常ではない。 むしろ、情報が常に流通し、反応が前提となった環境においては、自然な帰結とも言える。 孤独は、表現されることで安心を与えることがある。 しかし、ここではそれを目的としない。理解されることも、共有されることも前提としない。ただ、存在していたという事実だけが残されている。 このアーカイブに置かれているのは、語られなかった孤独である。 誰かに向けられることなく、評価もされず、時間の中で静かに蓄積していったもの。その沈黙を、沈黙のまま保持している。