An Unfinished Archive

2025.10.30
02-culture

文化は、共有された瞬間から変質を始める。 それがどれほど個人的な経験であっても、語られ、記録され、参照されることで、徐々に外部のものになっていく。 この変化は、必ずしも意図的ではない。 多くの場合、文化は保存される過程で整理され、理解しやすい形に整えられる。説明が与えられ、文脈が補われ、評価が付随する。その結果、元々あった曖昧さや矛盾は削ぎ落とされていく。 写真やテキストは、その過程を加速させる。 記録は残すための行為であると同時に、固定するための行為でもある。一度名前を与えられたものは、その名前に引き寄せられ、別の可能性を失っていく。 この場所で扱われているのは、文化として定義される直前の状態である。 まだ評価が定まらず、方向性も決められていない段階。共有されているが、意味は統一されていない。そうした不安定な状態に留まる断片が、ここには置かれている。 文化はしばしば、積み重ねとして語られる。 しかし実際には、多くの断絶や誤解、読み違いの上に成り立っている。連続しているように見えるものの、その内側には常に欠落が存在している。 この記録は、その欠落を補おうとしない。 整合性を与えず、正しい読み方も提示しない。ここにあるのは、説明されなかった部分が、確かに存在していたという事実だけである。 文化は、理解されたときよりも、理解されきらなかったときの方が長く残る。 その未整理な状態を保つために、このアーカイブは更新され続ける。