線路、青

Midnight Line 深夜にだけ姿を見せる青い列車 行き先は毎晩変わり 理由は夜に吸い込まれて消えます 停止位置は一定ではなく 昨日の駅が今日もあるとは限りません 発車時刻は23:50ですが 気づかないうちに前後します 走行中の速度は記録されず 走行音が遅れて届く夜があります 窓の外の景色は順番を守らず 順序のない光が流れます 乗るたびに終着が書き換わり 夜が終わるまで戻れません

Midnight Line は、毎晩ひっそりと始発駅を離れます。 目的地は決められておらず、車内にはアナウンスもありません。 暗い線路を滑るように進みながら、夜の温度だけを運びます。 深夜の静寂を乱さないよう、照明は最低限に落とされています。 この列車に必要なのは、急ぐ理由でも、明確な行き先でもありません。 ただ静かに、夜の時間を渡るためだけに存在しています。

Concept

Midnight Line は、深夜23:50にだけ姿を見せる小さな夜行列車です。 光を最小限に、音をほとんど立てず、夜という時間そのものをゆっくり横断します。 目的地は固定されておらず、乗車するたびに異なる風景へ向かいます。 この列車は、移動のためではなく、夜を渡るためだけに存在しています。

この列車には、特別な装備も豪華な設備もありません。 必要なのは、夜の中を進むための最低限の光だけです。 走行中もアナウンスはなく、ドアの開閉音さえ控えめです。 車内には、深夜の静けさがそのまま保たれています。 Midnight Line は、目的地よりも「過程」を重視します。 夜が変化していくわずかな気配を、乗車中に感じられるように。

Route

Midnight Line のルートは、毎晩ほんの少しだけ変わります。 1:Silent Bridge 2:Blue Tunnel  3:Closed Port 4:Unknown Station(終着)  どの駅も、深夜帯のみ現れ、昼の世界では確認できません。 Silent Bridgeが先に来る夜もあれば最後に来る夜もあります。Blue Tunnelは二重に重なり閉じたり開いたりします。Closed Portは沈んだり浮いたりします。Unknown Stationは見える前に消えます。線路は触れていないのにどこかへ行きます。

Timetable

Departure|23:50 Night Platform Arrival|05:05 Unknown Station

運行は1日1本のみ。途中停車はありますが、降車は自由ではありません。自己判断で降りないでください。止まるはずの場所が通り過ぎられる夜があります。決まっていたはずの時刻がふいに消えることがあります。時間の順番が変わる夜もあります。減速の理由は誰も知りません。終着が終着でなくなる場合があります。

Fare

片道:1,000円 支払い方法:現金のみ 深夜の風に耐えられる方のみ乗車できます。

※ この列車は観光目的の利用には向きません。※ 乗車券の払い戻しはできません。※ 勝手に下りないでください。※料金は夜の長さと関係するようですが誰も確認していません。※払った金額と記録された金額が一致しない夜があります。※数えられないほど少ない硬貨で支払える夜があります。※支払わないまま降りても翌夜に同じ額を請求されることがあります。

Notice

本日の運行は通常通り行います。車内の照明は最小限です。お足元にご注意ください。Unknown Station 付近で霧が濃くなっています。夜間の線路沿いへの立ち入りはご遠慮ください。

村上春樹の著作がひとつだけ車内に置かれましたが、どの席にあるかは毎晩変わります。本日も途中下車された方は0名です。なお、Unknown Station では風が強いため、ページの薄い本は手で押さえていただくと安心です。読む前に内容が変わる夜があります。閉じても閉じていないページが現れる夜があります。風の方向で段落が移動することがあります。読んでいるはずの文章が次の駅で消える夜があります。意味が残らない日はそのままにしておいてください。手を離した文字が窓に貼り付くことがあります。夜が深くなるほど段落が勝手に並び替わります。Unknown Station に近づくと物語がゆっくり沈み始めます。